11月金曜サロン

多摩の森林の話

右端が桜井さん
右端が桜井さん
 今回のゲストの桜井行雄さんは東京都農林水産振興財団で仕事をされている方で、8月に、地域協議会で生き物調査を行ったときにも、来ていただきました。そのときの樹木などについてのお話しがとてもおもしろかったので、ぜひもう一度聞きたいと、お呼びしました。日常の仕事としては、花粉の少ない杉の育成などに携わっているそうです。
 今回は、森とは・・・から始まって、寒冷地から温暖地、低地から高地までの植生の違いや、杉を例にとって植林から材木として切り出すまでの作業、年数など説明していただきました。工事用丸太として切り出されるものでも20〜30年、住宅用など大きなものに至っては100年近くかかるとのこと。手間のかかる割にはそれほど金額にもならず、放置される森も多いのだそうです。林業の衰退はよく言われることですが、気の遠くなるような時間をかけてやっと使えるものになり、林業だけで安定した収入になるようにするには膨大な面積の森をもっていないと成り立たないことなど現実は厳しいことがわかりました。最近は多摩の森でも鹿の食害が増えてきて、大きな問題となりつつあるそうです。
 持ってきてくださった写真では、手入れのされた森と放置された森の歴然とした違いがわかりました。今回は、部屋の中でのお話でしたが、いつか実際の森の中で伺ってみたいと感じました。