あらためて鷹の台駅前整備について生活者ネットワークがお伝えしたいこと

■緑と交通弱者を大切に考える思いは同じ

鷹の台駅前整備に関する請願については、「生活者ネットワーク 市議会レポートNo.50」でもご報告しましたが、紙面が限られていたため、あらためて私たち生活者ネットワークの考えをお伝えします。(請願名:2021年度請願第11号「鷹の台駅前整備はロータリーに限定せず見直しを求めることについて」)

まずは、委員会審査や本会議討論の際にも述べましたが、本請願が1300人以上の署名を集めたことは、請願者の皆さんのまちづくりへの熱意の結果であると受け止めており、その活動に敬意を表します。

そして、請願については鷹の台駅周辺の緑や行き交う人々の安全を総合的に捉えて熟慮のうえ判断したものであり、まちづくりへの想いは請願者の方々と同様です。

 

■現時点でできる最善策について熟考

〜道路交通法やタクシー乗り場及びコミタクの乗降場設置、緑地の創出について総合的に判断

生活者ネットワークは、鷹の台駅周辺について、通勤・通学時を含め歩行者の安全や、高齢者、障がい者をはじめとする移動困難者の利便性向上が長年の地域課題であったと認識しています。特に、登・下校時には送迎の車や店舗への搬入車が行き交い、車両ギリギリの位置を子どもたちや歩行者が通らなければならない場面もあります。事故の少なさは、地域関係者の安全対策への努力の賜物と受け止めています。

こうした課題は、2015年度に行われた小平市都市計画マスタープラン改定に向けて実施された「市民アンケート調査報告書」からもうかがえます。

鷹の台駅前の銀行が撤退することに伴い、2019年度に小平市がその跡地を購入し、駅前広場用地と合わせ鷹の台駅前広場整備事業が具体的に動き出すことになりました。整備にあたっては、委員会審査で述べたようにロータリー案ありきでではなく、緑地を少しでも多く残すことはできないかという考えにも共感を示しつつ、道路交通法上の課題も整理しながら、請願への判断に向け熟慮しました。

二度目の請願ということで、生活者ネットワークとしては、まちづくりの専門家とともに鷹の台駅前広場整備予定地や近接する都市計画公園整備予定地に足を運び調査をするほか、何度も請願者の話を聞き、また周辺地域に住む方々からも意見を聴きつつ会派でも話し合いを繰り返しました。

請願にある代替案は改札口前に身障者用車両停車枠が設けられており、直線道路部分に「タクシー・障がい者・一般車共用停車スペース」と「公共交通のための停車スペース」が設けられています。この代替案であれば既存の緑地は残せることになります。

このうち特に改札口付近の障がい者用の停車枠については、生活者ネットワークとしても大切なポイントであることから、交通法規との整合性を含め実現の可能性を探りました。

しかし残念なことに、鷹の台駅改札前は大半が道路交通法第44条の規定により駐停車禁止区域であり、たとえ障がい者用車両であっても停車枠を設けることが実質的に不可能です。一部停車可能区間はありますが、道路の幅員からすると道路交通法第47条の規定により、停車させた場合には通過する車のスペースが限定的になることや、歩行者の安全が確保できないため、停車枠が設置できないことがわかりました。(路側帯の上には停車枠を設けることはできません。)

このことは、市だけでなく交通管理者である小平警察署にも念を入れて直接確認しました。

つまり、駅前に停車可能なスペースを確保するためには広く鉄道会社の用地買収も必要となることが想定され、早期実現の困難性を考慮せざるを得ませんでした。さらに、高齢者の利用が想定されるタクシーが客待ちをする場合、タクシー専用枠内でなければ客を待つことができません。生活者ネットワークとしては、高齢者や障がい者など移動困難者がより外出しやすくなるために利便性向上と安全性の確保を重要視し、専用枠は設ける必要があると考えました。

また、現時点では試行運転だけにとどまり実現していないコミュニティ・タクシーのような市独自の公共交通も、周辺住民が長年切望してきたことであるため、将来に向けてその停車場をきちんと確保しておくことも忘れてはならないと捉えています。

鷹の台駅近くには都市計画公園整備が始まる広大な予定地があります。線路を挟んで東側には中央公園があり、近接する玉川上水と一体化したエリア全体の緑地を創出していきたいという思いは生活者ネットワークも同じです。熟考の結果、現在の樹木の移植なども視野に、交通安全と緑地創出・保全について総合的な視点で判断し結論を出しました。

■市民の声をもとに参加・決定の仕方について改善提案をしていきます

最後に、まちづくりへの市民参加や決定プロセスについては、課題があると捉えており、今回のような熱意ある市民の動きの中で議会と行政が課題を発見し、試行錯誤を繰り返しながら、まちづくりへの道筋を創り上げていくものと考えています。これまでも市に対しては、より多くの市民の声を聞くための方法や仕組みを提案してきました。

リサイクルセンター地域還元エリアに移植されたこぶしの木

生活者ネットワークは、これからも市民とともにまちづくりをすすめていきます。