10月金曜サロン

広がるジェンダー格差

 今回のゲストの谷口郁子さんは月刊社会教育の副編集長をされています。
まず、「女性の貧困は見えない」という朝日新聞の竹信三恵子さんの報告から始まったお話しの中では、男性中心で女性に目を向けてこなかった日本の労働組合のことや、第一号、第三号と分けられる年金のことなど幅広く女性問題について語られました。
 小平の女性の年金受給額は低いことも具体的に数字を挙げて示されましたが、それにもかかわらず誰も女性が貧困だと思わないことが問題だと指摘されました。原因としては統計を世帯単位で取るので男女の差が見えてこないことにも一因があるとのことでした。
 また、介護関係の窓口では女性には丁寧に説明してくれるが、男性にはそれほど丁寧に説明しないし、また男性も聞きもしないと言う現実があり、情報弱者に陥る傾向にあるそうです。介護するのは女性という暗黙の認識になってしまっているのではないかと問題提起されました。他にもダブルワークで働かざるを得ない状況だと、日々の生活に追われ、必要な情報が入らないし、発信もできない。日本の文科省のなかに労働教育の視点がないため、労働について学ぶ機会も機関もないなど大きな視野からの指摘もあり、短時間の中で盛りだくさんの内容の充実した会でした。