10月金曜サロン「モザイク壁画~地域の中の芸術」
今回のゲストはモザイク壁画の本間洋一さんです。身近なところでは小平市役所の1階の壁画を創作されました。使われるのはすべて自然の石で、見せていただいた作品に使われた石の見本は色もさまざまでまるで絵の具のようでした。
新潟県の新発田で小さい頃を過ごされ、武蔵野美術大学時代に「組織で動くのではなく、すべて一人でやっていきたい」と考え、授業が終わってから、大工・左官・石屋の見習いに行き、卒業する頃にはすべての技術を身につけられていたそうです。その事が壁画作りにあたっても、建物の構造、土台からすべてがわかるので納得のいく作品作りにつながっていきます。品川の翡翠館、多くの学校、日本橋の保健所等、日本中あちこちの施設の壁面を手がけられています。若い頃は集中してくると高く組まれた足場の上で眠り、目が覚めると作業を続けるという日々を送られたとのことでした。最近では、技術を伝えるという意味もあり、チームで作業をされています。 ここ数年やっとどんな石でも自分の思った通りに割ることができるようになったとか、技術の奥の深さがわかります。また、その土地で採れた石で壁画を作ることを目指していらっしゃるとのことです。
小学校時代から、理不尽なことに対してはきちんと申し入れをし、解決をしてきたというお話の中では「問題は正しく公にすること」が大切で「曖昧にするとなかったことにされる」と言葉で言えばその通りですが、つい楽な方に逃げたくなる日常に耳が痛い。
現在76歳というお年ながら、まだまだ作品作りへの情熱は盛んで、いきいきと語られる少年のようなまなざしがとても印象的でした。 まずは、品川の翡翠館を見に行かなくては・・・と思った1日でした。