10月金曜サロン 自治基本条例制定、10年の変遷
今回は、山中光弘さん(自治基本条例市民の集い)をゲストにお話を伺いました。
自治基本条例は、「まちづくりの担い手たちの基本ルール」
2000年に北海道ニセコ町が初めてつくり、東京では清瀬市が最初で小平市は11番目、全国で169番目にできました。そもそもの始まりは小林市長(現)マニフェスト(2005年)に掲げたこと、つまりここから市民の意見が反映されており市長任期4年以内に条例制定するとあったのです。
(小平・生活者ネットワークでは小林市長がマニフェストに掲げる前から「自治基本条例」の必要性を議会の質問でも訴え、独自で連続学習会等を開いてきました。)
市の募集に応じた60名程の市民で「小平市自治基本条例を作る市民の会議」が発足し、市と協定をかわし、「市民意見交換会」で広く市民の意見を反映、条例案づくりに約1年半もの間、話し合いを重ねたそうです。
会議運営は、共同代表(3人)をたてて、人の意見を非難しない否定しないという約束で多数決では決めずにみんなが納得して議論する「熟議」をめざす、ゼロからの条例づくり―前文から最後まで手作りをめざす、まさに結集した市民力でつくられた条例なのだと改めて感じました。
市と市民が時間をかけて調整した「市民の会議案」を市は条文の体裁に整え議会に提出。
市議会で設置された特別委員会で1年半の審議ののち、2009年12月に可決成立しました。
条例制定後、市民の会議は解散し、小平市の自治基本条例づくりの過程を記録しその普及と活用を見守るための会「小平市自治基本条例市民の集い」ができました。市民の集いは市の職員研修や市民向けに学習会等を実施されてきたとのことでした。
条例のポイントは「参加」「協働」
当日の資料によると、「参加」「協働」はどこのまちの自治基本条例にもある基本的なしくみ、市民の暮らしの基本に密着しているからです。参加と協働を活用すると、地域自治や住民自治がすすみ、人任せにせずに私たちの手で暮らしをよくすることができるとのことです。条例での「参加」は、市が計画をつくる際に市民が市に対し積極的に意見などを表明することをいいます。市民にとって重要な施策や制度などを導入するとき、改正する(変える)とき、設置や廃止のときなどが「参加」の対象になります。タイムリーな情報提供で市民の参加の機会を拡げていかなければなりません。また、行政と市民が話し合って、一緒になって地域住民向けにサービスやイベントなどを提供することを「協働」といいます。
今では当たり前になった「参加と協働」ですが、今後に向けて、条例が活用されているかをしっかり見守っていく必要がある、もう一度市民に問うていきながらどうやったら参加できるか、協働の考え方や姿勢を説明し続けていくことが必要ではないかと投げかけてくださいました。
この基本となる条例ができたことで、新たに議会基本条例もつくられました。
10年を経て、小平市自治基本条例を見返し、基本的ルールに立ち返り、今後のまちづくりに活かしていかなければと思っています。