コロナワクチン学習会報告
子どもや若い人へのコロナワクチン接種、幅広い情報を得てしっかり考えよう
新型コロナウイルス感染症が重症化しやすいとされる75歳以上の高齢者から始まったワクチン接種は、職域接種や大学での接種などをはじめさらに若い人たち、現在は12歳までの子どもたちへの接種も始まっています。
今回のコロナワクチンは人類が初めて経験するワクチンであり、その効果や短期・長期的な安全性、副反応についてなど、わからないことがまだたくさんあります。とくに、身体が小さく成長途中の子どもたちや将来子どもを産み育てる世代に接種することに対して心配の声も聞かれます。
厚生労働省は「集団免疫の達成」のため15歳以下にも接種を広げていく方針ですが、文部科学省では「学校単位での集団接種は推奨しない」という立場をとっており、国においても立場によって意見は分かれているようです。
小平・生活者ネットワークではオンラインによる学習会を企画し、小児科医として子どもたちのこころや身体をみつめてこられた山田真さんにお話を伺いました。
「日本医事新報」などの医学や診療に関する専門誌のなかでも、今回のワクチンに関して重症化予防効果は認められるものの、感染予防効果や有効性持続期間などは未確定であり、副作用についても情報を収集している段階。さらに問題なのは、コロナウイルスで亡くなった人ととともにワクチン接種後に副反応があった人や重症化したり亡くなった人に対しても、国として実態調査が行われていない、知見がきちんと収集・蓄積されていないことです。
今起きている実態をきちんと把握しようとしない姿勢は、福島の原発事故と同じ構図であると先生はおっしゃっていました。
夏休みに入ったこともあり、また感染の急拡大が続くなかで、マスコミでは連日とくに若い世代の感染が増加しているとしてワクチン接種の勧奨や活動の自粛を訴えています。しかし、とくに重症化することが少ない子どもや若い人たちへの接種については、私たち大人が長期的な視野を持ち、より幅広い情報を得たうえで、一緒にしっかり考えていく必要があります。ワクチンの効果や副反応に関する知見がもう少し蓄積されるまで、急がずに「様子を見る」というのも選択肢のひとつです。
今コロナワクチン接種をめぐっては、推進派と反対派などによる意見があり、それぞれの視点や立場によって今起きていることへの見方は異なり、その対処方法についても考え方は異なります。大切なのは自分の意見と異なるものも含めて情報を幅広く見聞きするということと、それにより自分の意見をもち責任をもって行動すること、そして自分と異なる意見をもつ人を批判したり、差別したりしないことだと思います。
子どもたちは私たちの想像以上に大人の目や意見、世間の空気を気にした行動をします。
まずは大人が冷静な視野を持って考え行動することと、子どもや若い人たちと一緒に情報を共有すること、そのうえで、子どもや若い人たちの意見をきちんと聴き尊重する姿勢をもつことは非常に重要です。
山田先生のオンライン講座の限定録画配信を行っています。
ご希望の方は事務局までメールにてお名前を明記の上ご連絡ください。
小平・生活者ネットワーク Email: kodaira@seikatsusha.net
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