10月金曜サロン「小平井戸の会」のお話

~小平の井戸の実態を知り、井戸の価値をひろめ、守り、活かしていくために

今回のゲストは「小平井戸の会」金子尚史さんです。

井戸のある住環境の実現をめざして、2015年1月に設立された井戸の会のこれまでの活動と金子さんの井戸への熱い想いについてお話を伺いました。会員の方も大勢参加してくださり、小平の井戸のこれからのことを改めて考える時間になりました。

2016年12月議会に井戸の会が提出した請願「小平市中央公園内の井戸の修理とその利用について」は、公園内にある井戸を震災時に市民が利用する、また市の文化遺産として活用するために調査・修理・再生を求めるもので、翌年3月議会に全会一致で議決されました。しかし、未だ公園の井戸は再生されていません。

なぜ公園に井戸なのか、災害時に避難場所となる公園にはマンホールトイレが設置され、使用後に流す水が必要ですし、井戸があれば市民の生活用水として活用できます。小平市では、震災対策用井戸の指定は飲み水として指定してきました。

金子さんは、阪神淡路大震災時の経験から、飲み水確保だけでなく、洗濯や風呂、トイレなどに使う生活用水こそ必要なのだといいます。
会では、これまで震災対策用井戸に指定された井戸と、指定外井戸の調査を重ね、調査報告を冊子化しました。(写真)会独自の井戸マップには、震災対策用井戸、指定外井戸や事業用井戸、廃棄された井戸などが記され、市内の井戸の場所を確定し、調査票をもとに現状を聴き取る作業を行っています。まさに行政ではできない市民による実態調査です。
そして、都内全自治体の井戸担当部署に実施したアンケート調査からは、小平のように震災対策用井戸を飲み水と限定しているのは数少ないことがわかりました。

2021年度小平市提示型公募事業として補助金交付を受けて作成した。

井戸の持ち主からは災害時に開放することで市民が殺到するのではないかと不安の声があり、個人の井戸を利用する側のマナーも必要です。
この度、市は、井戸水を生活用水として使用することを明記した「井戸の使用ルールの看板」を作成しました。小平井戸の会の活動と行政へのアプローチの成果です!(このような看板は都内では最初?)

いざというときの地域防災のために、日頃から顔の見える近所付きあいも大事です。市民として、地下水への意識をもちつつ、現在小平にある井戸を守りつつ、新たな手押しポンプ式井戸を増やしていきたいと思いました。