集会報告 子どもの権利ってなんだろう?~小平に子どもの権利条例ができたら実現できること

12月11日、全国の自治体の条例や子ども計画づくりに関わってきた森田明美さん(子どもの権利条約東京市民フォーラム事務局長/東洋大学名誉教授)をお招きし、中央公民館を会場に集会を開催しました。

多くの参加者の前で語る森田明美さん。 

「子どもの権利」のステージは次のステップに

司会の小平ネット山浦まゆみ市議

森田さんは、子どもの自死の急増や孤立、貧困など日本の子どもが置かれている現状についてからお話しを始めました。自殺する子どもの数は全国で415人(2020年)。自ら命を絶つ子どもが全国のどこかで毎日1人以上出ているというとても悲しい現実があります。そして、6人に1人の子どもが「家庭に居場所がない」と感じている。子どもの貧困率の数字を出すまでもなく、この小平でも14もの子ども食堂が活動していることをみても、今ほど子どもを「生きる主体」と捉え、社会が動かなければいけないときはない、と強調する森田さんの言葉には説得力があります。

日本が1994年に子どもの権利条約を批准して28年。国もようやく総合法であるこども基本法を策定し、先駆けて東京都はこども基本条例をつくりました。いま、子どもたちが育つ地域で、市民・行政・政治が子どもの権利の理念をしっかりと共有し、実効的な施策に取り組める自治体になるために条例は大きな意味を持つ、という話は、長年条例の必要性を訴えてきた小平・生活者ネットワークとしても力を得るお話でした。

今こそ小平にも子どもの権利条例を!

集会では条例をもちプレーパークや子どもオンブズを実現している小金井市や、市長公約に基づき子どもの権利条例の検討委員会を設置し、策定をすすめてきた武蔵野市、それぞれの生活者ネット議員からの報告もありました。

まずは目の前の子どもたちの実態からスタートすることが大事、大人の死因の1位が自死だったら大騒ぎになるはず(15~19歳の死因1は自死)、子どもの悲痛な声を大人はキャッチしていない、という森田さんの言葉を生活者ネットとしてしっかりと受け止めたいと思います。

小平では多くの子ども食堂のほか、学習支援や不登校の会など、すでに子どもの育ちを地域で支える活動がたくさんあります。さまざまな市民が手を取り合って、子どもの意見を聴きながら子どもの権利条例をつくっていこうと確認できる集会となりました。

左から、西園寺みきこ武蔵野市議、講師森田明美さん、安田けいこ小金井市議、さとう悦子小平市議